感謝の言葉を



「サンキュ!」

そういって片手を上げ颯爽と去っていく。

いつだってそうだ。

将臣君はそうやって背中を向けて走り去る。



宿題を忘れた時だって、

私からお菓子をもらった時だって、

この世界に来た時だって…そういって…背中を見せる。



寂しいよ、

傍にいてよ、

自分から離れていかないで。



そしてその笑顔で「サンキュ」って言ってよ。

そうしたら大嫌いなその言葉だってきっと好きになれる。



きっともう少しで戦は終わるから。

その時その笑顔をまた見たいの。





「もう会わないといいな」

秋の鎌倉で、二人一緒に育った地で、ちょっと違うけどよく見慣れた景色の中、



こんな言葉聞きたくなかった。



だから、お願い、

こっちを向いてもう一度「サンキュ」って言って。





*あとがき*

本当は拍手御礼の作品にしようかと思った作品。

思ったより暗いオチになってしまいさすがにやめました。

こんなときプロットを立てずに作る自分の作品が憎い…。